
体の中を循環しているものに、血液とリンパ液があります。ご存じの通り、血液は全身に酸素や栄養を運び、二酸化炭素や代謝されたものを運び出します。その血液の循環障害が起きると、局所または全身に重大な病変を引き起こす、というのが前回の病理のお話でした。
血管が詰まって脳に血液が行かなくなると 5 分もあれば死んでしまうわけですが、もっと軽度の血液循環障害に「充血」が挙げられます。充血とは、局所的に血管が拡張して血流量が多くなることをいい、運動したときや消化するときの生理的な充血、炎症が起こっているときの充血、2 つある臓器の片方に異常が生じたときもう一方に起こる充血の 3 種類に分けられます。要するに、たくさんの酸素を必要とする組織にたくさん血が流れている状態を充血というわけです。
ある組織に血液が多く流れる、ということは、他の組織へ行く血液は減ってしまいます。その影響を最も大きく受けるのが脳です。脳は常に酸素を利用して糖を代謝することでエネルギーを作り、二酸化炭素を排出しています。血流量が減ると、脳に供給される酸素が減って、あまり物事を考えられなくなります。
この仕組みをうまく利用したのがスポーツです。何か悩みを抱えているときでも、スポーツをしているときは忘れていますよね? そしてスポーツをしたらスッキリして、悩んでいたことを消化できた、なんてこともあったんじゃないでしょうか。
スポーツをすると筋肉が充血し、その結果、脳に流れる血液が減ります。すると普段は酸素がたくさん供給されて、活発に働いている脳が休むわけです。脳が休むことで白紙に戻る、物事を最初から考え直す、つまり「Re-Creation」されます。
生産性を上げるためにはスポーツをしたほうがいい、という話をよく聞きますが、その理由らしいものを初めて聞いた気がしたのでエントリしてみました。